2024/03/31
豊田合成株式会社
- 1001人以上
- 製造業/その他
未病対策を重視、所見のない従業員にも保健指導
創立記念式典で健康経営キックオフ
豊田合成株式会社では、合成ゴムや合成樹脂およびその配合技術をベースに、開発・設計、調達、生産、販売を行っています。「健康経営優良法人認定制度」が創設された2016年を「健康元年」と位置づけ、会社の創立記念式典での「健康講演会」を皮切りに、健康経営に取り組んでいます。企業の持続的成長には従業員の心身の健康維持・増進が不可欠という考え方に基づき、メンタル・フィジカル両面からさまざまな施策を展開しています。
所見のない従業員にも保健指導を実施
これまで社内保健師が健康診断の有所見者に対して保健指導を行ってきましたが、その中で感じるのは、有所見となる前にアプローチできていれば、病気を未然に防ぐことができ、従業員・会社双方にとって大きなメリットとなるということです。そこで、数人の保健師で全従業員の健康を守るには、「有所見者への保健指導」と「予備群への対策」を切り分けることが有効だと考えました。有所見者への保健指導は、健康保険組合を主体とした集団指導に切り替え、就業時間内に行うことで、完結率は5割から9割に向上しました。
一方、2021年から所見の有無に関わらず全従業員の保健指導を4年毎に行っています。当初は、所見がなくても保健指導を受けることに戸惑いを覚える従業員もいましたが、実施の目的を丁寧に説明し、年齢に応じた健康情報を提供したり、現在の生活習慣から症状としてはあらわれていないリスクを把握し、生活改善を提案したりと、個々人に応じた指導を行うことで、理解を得られるようになりました。健康に対する価値観は人それぞれであるため、健康な方に健康の話をするのは難しく、保健師の技量が問われるところです。保健師が従業員一人ひとりに寄り添い、より健康に関心をもってもらえるよう工夫しながら、入社から退職まで長きにわたってサポートしています。
一方、2021年から所見の有無に関わらず全従業員の保健指導を4年毎に行っています。当初は、所見がなくても保健指導を受けることに戸惑いを覚える従業員もいましたが、実施の目的を丁寧に説明し、年齢に応じた健康情報を提供したり、現在の生活習慣から症状としてはあらわれていないリスクを把握し、生活改善を提案したりと、個々人に応じた指導を行うことで、理解を得られるようになりました。健康に対する価値観は人それぞれであるため、健康な方に健康の話をするのは難しく、保健師の技量が問われるところです。保健師が従業員一人ひとりに寄り添い、より健康に関心をもってもらえるよう工夫しながら、入社から退職まで長きにわたってサポートしています。
現役アスリートが運動不足解消を後押し
健康増進のための8つの生活習慣(適正体重、朝食、間食、飲酒、運動、禁煙、睡眠、ストレス)に着目した「健康チャレンジ8」を採用し、全社・職場単位にスコアを見える化しています。当社の課題が「運動」にあったため、運動のきっかけづくりとして社内の現役アスリート出演の「筋トレチャレンジ」動画を作成しました。幸い、当社はバレーボールの「ウルフドッグス名古屋」やハンドボールの「ブルーファルコン」といった強豪チームを抱えており、従業員はここで活躍するアスリートを誇りに思っています。動画は、10分程度で日常生活に取り入れやすく、年齢や体力に応じて負荷を調整できるものとし、現役アスリートが腰痛や肩こりなど従業員の悩みに合った運動をレクチャーすることで、モチベーションアップにつなげています。
女性特有の健康課題に取り組む
取り組みを進める中で、女性特有の健康課題に関する項目も増え、世の中の関心が高まっていることを実感しています。当社の女性従業員の割合は1割ですが、女性の活躍促進の流れもあり、今後、事務職・技術職だけでなく、製造の現場や管理・監督する立場の女性が増えていくことが想定されます。女性特有の悩みを解決するには、当人だけでなく、周りの理解・協力が欠かせないため、男女問わず女性の健康課題を共に考える機会として、講演会や研修を実施しています。
また、がん検診の重要性を啓発し、女性の健康週間にはからだに良いとされる食材を用いたピンクリボンランチの提供や、受診勧奨に努めるほか、女性従業員に日頃からセルフチェックを促すため、乳がん自己触診用検診グローブを配布しました。こうしたことが評価され、厚生労働省の委託事業「がん対策推進企業アクション」主催のがん対策推進企業表彰において「がん対策推進パートナー賞(情報提供部門)」(令和4年度)を受賞しました。
また、がん検診の重要性を啓発し、女性の健康週間にはからだに良いとされる食材を用いたピンクリボンランチの提供や、受診勧奨に努めるほか、女性従業員に日頃からセルフチェックを促すため、乳がん自己触診用検診グローブを配布しました。こうしたことが評価され、厚生労働省の委託事業「がん対策推進企業アクション」主催のがん対策推進企業表彰において「がん対策推進パートナー賞(情報提供部門)」(令和4年度)を受賞しました。
望まない受動喫煙ゼロ企業を実現
健康経営を推進する上で、まず重点としたのが、生活習慣病の危険因子の中でも、有害/発がん性物質を含み、本人だけでなく、周囲の健康も害する“喫煙”の対策です。タバコの社内販売中止、看護職による個別の禁煙支援、外部講師による禁煙講演会、肺年齢測定会、禁煙補助薬の試供など段階的に実施し、卒煙の後押しを行いました。次のステップとして当社構内で働く全ての人を受動喫煙による健康被害から守ることを目的に「受動喫煙防止」に移行し、産業医による講話など理解活動を徹底することにより、2020年から国内事業所の敷地内を全面禁煙として吸えない環境をつくったことが、喫煙率の低下に大きく貢献しました。
健康経営は、企業の成長の原点
「健康経営」は会社として大切にしたいところ、従業員の関心が高そうなところ(当社の場合は禁煙や運動)から着手し、企業の特色を出していくのがよいと考えます。
現在は、「健康経営」が「人的資本経営」や「ウェルビーイング経営」等に広がりを見せ、従業員の健康を大切にする会社が採用面でも有利となり、離職防止にもつながっています。もちろん、採用や離職防止は大切ですが、よりよい人材を確保しながら従業員が健康でいきいきと働けることは、企業の成長の原点です。そのことを十分に理解した上で、今後も更なる活動強化をしていきます。
現在は、「健康経営」が「人的資本経営」や「ウェルビーイング経営」等に広がりを見せ、従業員の健康を大切にする会社が採用面でも有利となり、離職防止にもつながっています。もちろん、採用や離職防止は大切ですが、よりよい人材を確保しながら従業員が健康でいきいきと働けることは、企業の成長の原点です。そのことを十分に理解した上で、今後も更なる活動強化をしていきます。